帰郷


柱も庭も乾いている、
今日は好い天気だ!
   椽の下では蜘蛛の巣が
   心細さうに揺れてゐる。

山では枯木も息をつく、
あゝ今日は好い天気だ!
   道傍の草影が
   あどけない悲しみをする。

これが私の故里だ、
さやかに風も吹いてゐる。
   心置きなく泣かれよと
   年増女の低い声もする。

庁舎がなんだか素々として見える、
それから何もかもがゆつくり私に見入る。
   あゝ何をして来たのだと
   吹き来る風が私に言ふ・・・・・・